登りが苦手な人が、少しでも楽に・速くなる5つのテクニック
最初のブログでも書いたが、僕は登りが苦手です。
下りで順位を上げるタイプ。
でも多くの大会はスタート直後から登ることが多く、最初の登りで混戦の渦に飲まれてしまうと、下りで飛ばそうにも抜きにくく飛ばせない。
そうすると、やっぱり登りをもっと鍛える必要があるなぁと思っています。
そこでいろんな本を読んだり、いろんな人の話を聞いた登り方のコツを今回はご紹介します。
1.パワーウォーク
特に急勾配な坂を登る時に、手を太腿あたりに置いて力をいれることがあると思います。
これはスピードを維持しながら歩くときには有効な手法で、パワーウォークと言います。
パワーウォークは歩幅を広く取り、手を膝から太腿あたりに置いて、なんば走法*の要領で進みます。
*なんば走法:同じ方の手と足を同時に出す走法。
足の筋肉と腕の筋肉の両方を使って歩くので、走る場合に比べて、筋肉への負荷は低いです。
しかも傾斜が急な場合、走る人と同じくらいのペースで歩くこともできるため、
登りは苦手だけど、ペースを落としなくないという人にはとても有効です!
パワーウォークという言葉を知らなくても、無意識に実践している人は多いのではないでしょうか。
ただ、その名の通り、かなりのパワーを使うので、走るよりは楽とはいえ、それなりにしんどいです。
2.手を股関節にあてる省エネ走法
ここでは省エネ走法のご紹介です。
パワーウォークを序盤からやってしまうと後半まで持たないという人にはピッタリだと思います。
特にまだトレランに慣れない方は、筋肉の使い分けをうまくできないことが多いと思います。
多くの人は、登りで大腿四頭筋(前もも)や下腿三頭筋(ふくらはぎ)を集中して使ってしまうのではないでしょうか。
しかしトレランでは、前ももが疲れたら後ろももを使う等、筋肉を動かす部位を変えることで、頑張れたりもします。
特に登りでは、ハムストリングス(後ろもも)や大殿筋(おしり)を使えるとかなり楽になります。
前ももは下りでもかなり消費するので、できれば温存して、登りでは後ろ側の筋肉から使いたいところ。
そこで意識するのは、手を付くところ。
パワーウォークでは膝から太腿にかけてでしたが、ここでは股関節に手を置くようにしてみましょう。
そうすると姿勢が少し立って、股関節を意識した可動域になるので、消費する筋肉が分散し、特に後ろ側に負荷がかかります。
意識して筋肉を使い分けるようになるまでは、手を置く位置で使い分けてみて下さい。
前ももを使ってスピードを出したい時は、太腿に手をつき、省エネで後ろ側の筋肉を使いたい時は股関節。
これを覚えておけば、筋肉を意識しなくても使い分ける事ができます。
3.腕を大きく振る
登りを走り抜けるために、最後のひと踏ん張りをする時は、ぜひ意識的に腕を大きく振ってみましょう。
振り子の原理で足が少し動くようになります。
辛くなってくると、徐々に腕の振りが小さくなり、足だけの力で登ることになってしまうので、
そういうときこそ腕の振り方を意識してください。
僕は特に緩やかな長い登りで、走って抜ける時に、すごく意識をしています。
腕を大きく振るだけで、少し足が軽くなり、ペースが上がります。
あまり意識したことがなかった人は、ぜひ一度試してみて下さい。
4.つま先で走る
これは僕がトレランを始めて1年くらいしてから、できるようになったことです。
つま先で走ることをイメージするとふくらはぎに、すごく負荷がかかりそうと思われると思います。
しかし、1年した僕はそちらの方がふくらはぎに負荷がかからないと気づきました。
かかとを着いた時、ふくらはぎは一番伸びます。(準備体操でアキレス腱を伸ばす動きのイメージです。)
そこからかかとを浮かせて、つま先で蹴る。
つま先で蹴るタイミングでふくらはぎの筋肉にもっとも負荷がかかり、縮まっている状態です。
この筋肉の伸縮範囲が大きければ大きいほど、筋肉への負荷が大きくなります。
ずっとつま先立ちしているのと、つま先の上げ下げをずっとやり続けるのでは、後者の方が辛いと、ご理解頂けると思います。
(どちらも辛いと言えば辛いのですが・・・笑)
つま先で走る場合、前者のように常に一定の箇所に固定するような筋肉の使い方しかしないため、使う筋肉は最小限です。
むしろ、それを持ち上げる、足の上の方の筋肉への負荷が大きくなります。
これも使い分けなので、ふくらはぎに負荷がかかりやすいと悩んでいた方は意識してみて下さい。
どちらもきついですが、慣れてくると圧倒的に楽だし、速いです。
5.心拍数を一定に保つ
走る上でもっとも重要な指標は心拍数だと思います。
車のエンジンは、エンジンの回転数が高いときが一番ガソリンを使います。
それと同様に、心拍数が高い場合、エネルギーをもっとも消費します。
特に登りは心拍数が上がりやすいので、注意が必要です。
心拍数が高い状態で登り続けると、エネルギーを消費し、足をつってしまったり、エネルギー不足になってしまったりします。
そのため、長く動き続けるためには、心拍数を意識しましょう。
必ず図る必要はないですが、自分で心拍数が上がってきたかもと思った時は注意するタイミングです。
心拍数を下げるためにも、マラソンと違って、ペースが一定である必要がありません。
むしろペースを一定に保つと心拍数が更に上がってしまいます。
ペースを落としたり、小休止したりして、調整をしてみましょう。
さいごに
登りが苦手な人でもきっと頑張れば早くなります。
そう信じて頑張るしかないと思います。
今回の5つのポイントで、少しでも楽に速く走れるようになってもらえれば幸いです。